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5月11日

ネオン街 生き残りの戦い
飲食店への客引きや無料案内所での客待ち行為を規制する改正県迷惑防止条例が施行されてから、1か月が経過した。秋田市大町の繁華街「川反地区」では客引きに代わって、路上に「客引きマネキン」や、店側と直接話が出来る「インターホン付き看板」が登場。不況下で客足が遠のく中、改正条例をきっかけに、ネオン街では生き残りをかけた戦いが始まっていた。(松本健太朗)

 キャバクラやクラブなどの飲食店が多数軒を連ねる大町5丁目の川反通。7日午後8時過ぎ、あるビルの前で、プレートを持ったオバマ米大統領のマネキンが立っていた。 インターホン付きの看板が登場した川反通

 「2人以上 70分 4000円」。通りかかった男性2人は、しばらく眺めていたが、マネキンが誘う店には入らなかった。マネキンを設置した理由を男性店長(27)に聞いたところ、「客引きができない分、マネキンで人目を引かなければと思った」と説明する。この店では条例改正に合わせ、以前より2000円安い料金に設定し、生き残りを図った。男性店長は「4月の売り上げは横ばいだったが、その先はどうなのか分からない」と不安を口にした。

 川反通を歩くと、公道上から客引きがいなくなった分、看板が目に付く。いずれも華やかな衣装をまとった女性の写真と一緒に、料金、店名が書かれており、一目でキャバクラだと分かる。

 中には、看板にインターホンをつけた店もあった。押すと、飲食店内と会話できる仕組みだ。男性店長(31)に取材すると、ぶぜんとした表情でこう言った。「あまり効果はないよ。条例改正で客は、かなり減った。ボーイの数を半分にして何とかしのいでいるんだ」

 ある飲食店の関係者は、客引きをあてに出来ない以上、値下げで客の目を引く飲食店も多く、「飲食店同士の消耗戦になっている」と指摘する。

 だが、客引きへの依存度が高い風俗店はもっと深刻だ。川反通の、ある風俗店をのぞくと、閑古鳥が鳴いていた。経営者(30)によると、来店者の7割を客引きに依存していたため、売り上げは3割減ったという。

 客足を戻そうと初めて無料案内所に広告を出したが、「1か月4万円はかなり痛い出費。でもやらないよりはマシと思って」と話す。

 店長は女性従業員には、メールや電話といった「営業」を積極的に行うよう指示した。それでも客足が戻らない場合は人件費を削減するしかないという。

 この店長は「潤っている一部の店以外は何をするにしても出費がかかり、限界がある。今後どうなるのか」と表情は暗い。

 一方、改正条例に賛成した秋田市飲食店組合環同連合会の鈴木清会長(50)は冷静に見ている。「飲食業である以上、客に支持されない店は消えゆく運命にある。ネオン街が健全になり、戻ってきた客足もある」